SFマガジン 1969年7月号

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PEOPLE 砿 PIT 狐につままれた思いで二人は車に戻り、一言も口をきかずに横るだろうが、どうもそうではないらしい。しかしそれとは別に、な にかうしろめたいことでもあったのか、それ以来彼は、ひまをつく 浜へ帰ったという。 っては旦念に現場周辺の聞き込みをつづけたのである。ところがで なんとも解せない思いのとその同療との間で、〃お前、なんで あのとき急プレーキをかけたんだい ? 〃 いや、俺はあのとき婆アある。なんと、そのあたりでその婆さんのお化けを見た人はほかに を轢いたと思ったんだ〃という会話がかわされたのは次の日になっ何人もいるというのである。しかも白昼に見た人さえいたという てからのことだという : 当然彼は、自動車に轢き殺された老婆でもいたんではないかと、神 唯物史観をひけらかし、霊魂の不減を嘲笑するの前に事もあろ奈川県警の倉庫の記録まで調べてもらったが明治以来該当者はまっ うにお化けがあらわれたというんだからうれしくなるのだが、とに たくなしーーーふだんのとはうって変った、深刻なその表情にすっ かく、二人とも同し老婆を見ているのだからやつばりそれがお化け かりうれしくなった私は、今日泊亜蘭氏や光瀬龍氏、それにたしか であることに間違いはないだろう。これがあの、株が大暴落をした平井、豊田、大伴なんその諸兄をけしかけて調査団を組織し、雨の 例の夏以後のことならば、当然、彼の甘言にのせられてなけなしのしょぼしょ・ほ降る、 いかにもお化けの出やすそうなコンディション へソくりをまきあけられた哀れな大衆投資家の怨霊ということもあの丑三つ時をえらんで現場に二時間ほどねばってみた。もちろんな んの手掛りもなし : 『洞穴の人々』のタイトル・カット 問題は、その老婆が しい忘れたが、その老婆の唯一の徴は っ 夏でもなんでも必らず綿入れを着込んでいることだというー・ー」い ーし なんのためにあらわれるか、である。 ″ウラメシャみ ' とか とか、あるいは〃オイデオ 〃コンパク、コノョニトドマリテ・ イデと手招ぎをしてそいつをどこか危ないところへさそい = んで しまう : : というんなら話はわかるし、まあそれたけのことなん のためにあらわれるのかさつばりわからないというのが実にこわし と思うのである。 人間を食っちまうとか、ビルディングを片手でこわしてしまうと かいった怪物のこわさは要するにそれだけのこわさだが、これがい ったいなにをやらかそうというのかわからないとなるとこわさは倍 加する ・メリ ットといえば最近、傑作『イシュタルの船』が邦訳され たばかりだが、彼が〈アメージング・ストー 丿ーズ〉誌の一九二七 年三月号に発表した「洞穴の人々」 People of the Pit に出てくる 1 こ 1 まこ 7

以前に本誌の中でちょ 0 と紹介したこともあるのだが、私の友人る車で鎌倉往還をぬけて横浜〈と帰途についた。ご存知のかたもあ にという男がいる。ヒットラーとワグナーを崇拝し、サディズム ると思うが、円覚寺の先の e 字路を右に曲って横須賀線の踏切りを と同性愛の研究家だといえば、流行に目ざといだけの男みたいに聞越えるとすぐ登りにかか 0 て道は大ぎくまわり込み、かなり大きな こえるが、もう十五年も昔から、どこから聞いてくるのか、やれ、 切り通しにかかる。今でこそすっかりひらけてしまっているが、つ ヒットラーはワルキ = ーレを聞くたびに必らず射精したとか、宇田 いこの間までは両側の崖の上はびっしりと木が茂り、たしか、かな 川国芳の浮世絵に女を逆さにプラ下けてどうとかいう絵があるとか り先の下りにかかるあたりに茶店が一軒あるきりで、昼間でも山賊 い「た話を、ロ角泡をとばしてわめいていたのだからまず本物のたの出そうなところだ 0 た。その証拠に私は当時、そこで時代劇のロ ぐいだろう。私の周囲で、横尾忠則のイラストと篠山紀信の写真に ケを何度かやったことがある 目をつけたのは彼が最初だったし、それも一般に知られるよりかな それで、の乗った車がそのあたりにさしかかったとき、突然、 り早かった。 ヘッドライトのビームの中に一人の老婆の姿がうかび上ったという そのがお化けに出会わしたのである。 のである。彼がはっとなったとたん、運転していた同僚が急制動を はそのころ、大手の Z 証券の横浜支店にいたのだが、なにしろかけた。つんのめりそうにな 0 て、砂煙をまきあけながら車が止る 口が達者なやつだから、例の大暴落前の証券・フームの波にの「た善と同時に、二人は車の外にとび出した。あたりはシーンとした暗 良な投資家をのせ 0 ばなしにの 0 けて大いに成績をあけていたらし闇。もちろん老婆の姿はない。車の下もさがしたし、懐中電灯を手 い。で、その夏のある夜、鎌倉の成金かなんかに株を売りつけ に、おっかなびつくりで車のうしろをずっとさがしてみたし、両側 たのだろうと思うがーー , ・夜もかなりおそくな 0 てから同僚の運転すのみそからやぶの中まで徹底的にしらべてみたが何の手掛りもな 腿 6 別世 連載コラム r.n 実験室菊 解剖学のすすめ ( その川 ) 怪物考Ⅲ 野田宏一郎 6

U)LL 物理学入門 評論 ) ンヨンハール裁プライアン・オールティス 〈新しい波〉の旗手が正し (U) 批評原理の確立を今こそ提言する NO. 7 VOL. 10. S F マガジン 7 月号 ( 第 10 巻第 7 号 ) \ 220 昭和 44 年 7 月 1 日印刷発行発行所東京都 千代田区神田多町 2 の 2 郵 1 0 1 早川書房 TEL 東京 ( 254 ) 1551 ~ 8 発行者早川清 編集者福島正実印刷所日東紙工株式会社 1969 ′ ワールズ・オプ・イフ SF 誌特約 表紙岩淵慶造 目次・扉中島靖佩 イラスト 真鋿博金森達 岩淵慶造中島立靑佩 」 ULY, ソト S S 連ー FF S タでス F ルてキ 迷ア 宮トかスたナ び ! 入ラらコあー たイメプ 飛は 殺び 人隆 、 1 事、 大伊 ウ伴ー藤 肓司夫 26 95 91 世 " みすて ′」パレっ′、 ジョン・ウインダム アマゾンの時代 男が絶減し真に解放された女性たちは、アリの世界を模倣して理想社会を建設した / 第五章重力とは何かイ叺 その田怪物考Ⅲ ; ⅵ野田宏」》「郎 石原藤夫 1 7 2 1 3 0 202 125 64